οὐ

不変）否定 ～ない

（否定の小辞 ouvにアクセントを付けた形）［間］ いいえ，否；英語のno, ヨハ1:21，マタ5:37．
οὐ（子音で始まる語の前ではこの形）；母音で始まる語の場合は，軟気息の前ではοὐκ 硬気息の前では οὐχ となる；否定の［小辞］―客観的否定を表わす語 ①μηが肯定の可能性もある所で主観的に否定するのに対し，ὀυ は事実として断言的に否定する．μηが条件付き，或は疑いを含んで否定するのに対し，οὐは無条件で否定的断定を下す． ②（以上の性質から当然，οὐ は直説法を否定する（のに対しμηは不定詞，分詞を含む他の法を否定する)．［例外的用例］οὐが例外的に命令法（Ⅰペト3:3），不定詞（ヘブ7:11），分詞（ヨハ10:12）と併用されることもあるが，これらはそれぞれの動詞を否定するというより，その動詞の主語や補語に相当する語句と結びついて，これらの語句を断定的に否定するのに使われている． ③οὐ μη アオリスト接続法と強い否定または禁止に用いる；決して（絶対に）ない，あってはならない；   ⑤疑問文に使われた時は，肯定文の答を期待する反語になる，マタ6:25，同13:55，マコ4:21，ルカ11:40等．